「建築家として生きる」を拝読しての感想!
● SEP 9月 2021 令和3年!
文責:代表取締役 櫻(さくら) 井(い) 善(よし) 實(み)
8月は長雨続き。岡谷市にて痛ましい土砂崩れ災害が発生してしまいました。
自然猛威の前に最新の土木工学・防災計画の盲点を突かれた様な被害は、人の命を守る社会基盤工学の非力さを感じます。ご冥福をお祈いたします。
信濃毎日新聞に 毎週話題の書籍紹介欄があり 楽しみにしているコーナーです。
松村 淳著 「建築家として生きる」・・芸術と「普通」いま迎える転機。
著者は関西学院大社会学部准教授 人と建築の関係性を総合的に考察する「建築社会学」を研究なさっている方の様です。
経歴がすごい!建築家を目指し長年努力したにも関わらず「建築家」になれなかったと筆者は明るく事もなく言い切っている。
「建築家という存在そのものがゆらぎはじめている現代で・・・・・・。」
建築士として生きてきた私としては心打つ文脈が冒頭からあった。
工業高校建築科時代を入れるとこの業界で57年間私は生き抜いて来た。
建築士になるのだ!目標は明解でした。
生活のため必要な資格。建築士のまえに食える資格でした。
当時は花形産業資格でした。
高卒就職>ゼネコン現場監督>二級建築士>宅建士>一級建築士>脱サラ経営者
この間私は「建築家」を目指したことはなかった。
「格調高く雲の上という存在」に当時は見えていました。
この本から時代の変化を認識せざるを得ない足元が見えた感じ。
松村さん(50歳前なのに)は建築士制度・建設産業などを俯瞰的に分析し近未来的な視点でわかりやすく、そして何より明るく堂々とした文脈につい引き込まれてしまう。
これはどこから来ているのか?建築士>建築家を目指し彼は挫折したところから始まっているのでは?とにかく暗くない・斜に構えていない・グチぽさがない、さすがだ。
建築にワクワク感を持てる時代の再来は建築への冷静な視点認識を深めるところから始まる様な気がします。
松村先生ありがとう活躍を期待します。先生は「建築家」!
株式会社 証(あかし)建築社(けんちくしゃ) 代表取締役 櫻 井 善 實 SAKURI Yoshimi